日本の永住権求め中国人の留学生が急増。10年で11倍に

日本の芸術系や美術系大学に通う留学生のうち、中国人留学生の割合が7割程度に上ることが各大学の統計で分かった。人気の背景にあるとみられるのが、日本への永住権。

卒業後、ゲームやアニメなど「クールジャパン産業」関連の職に就くことが、永住権取得の〝近道〟になるという認識が広がっている可能性がある。

ポケモン、モンハンに憧れて

中国人留学生のチョウ・シゴウさん(31)は今月中旬に京都芸術大学を卒業し、4月からは京都のゲーム会社に就職することが決まっている。「モデリング」と呼ばれる、2次元の原画などを3D化する作業が当面の担務になるといい、「ゆくゆくは、自分の世界観を反映したゲームを開発したい」と話す。

中国での高校生時代、「ポケットモンスター」や「モンスターハンター」など日本のゲームのデザインに憧れた。いったん中国で就職したが、独学でデザインや日本語の勉強を続け、6年前に来日。中国人留学生専門の大学予備校「行知学園」(本部・東京)の美大進学コースでデッサンなど基礎的な技術を、日本語学校で語学レベルをそれぞれ高め、大学に進んだ。

日本語能力試験では最難関の「N1」をすでに取得。就職活動も不自由はなかった。現在は「留学」の在留資格だが、今後、会社側が就労ビザである「技術・人文知識・国際業務」(技人国)への切り替えを、出入国在留管理局に申請する予定になっているという。 現在、日本人のパートナーもおり、「できれば日本に住み続けたい」として永住権の取得を視野に入れている。

技人国→高度人材→永住権

チョウさんのように、日本のゲームやアニメ、ファッション・デザイン、食関連など、いわゆる「クールジャパン産業」の分野を学んだ留学生を巡っては、日本政府が平成29年、引き続き日本で働くことを希望する場合の在留資格を明確化。「一般的には『技人国』への該当性を審査することになる」と公表した。

また、「入社から半年程度の研修期間を設けても、その後に主体的な業務に就くのであれば技人国資格として許可される」などとする判断も示した。事実上、就労ビザ取得のハードルが下がった形だ。

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